ウキクサバチdays

ふらっと気ままに詩とか散文をのせるとこ

散文: ほら吹きと宝物

あれもほしい これもほしいだなんて ガラクタから宝石まで全部 同じように抱きしめていた そんな可愛らしい昔を思い出しては なんともいえない気持ちになるよ全部なんて無理なんだって 抱いた腕の中でぶつかりあって壊れてしまうんだって 気づいたのはいつだ…

散文: あがないびと

頭の中で鈍痛が響いていた。こめかみが鼓動にあわせて脈打っている。そんな時には眠れない夜の悪夢を思い出す。くだらない記憶だ。けれど消えない。おそらく自分と深く根付いてしまっているんだろう。頭痛が記憶を呼んだのか、記憶が頭痛を呼んだのかは分か…

散文: ぼろの存続

別に何も特別なことはなかった。ただいつものように疲れきっていて、糸が切れたように眠った。そうして、そう…眠ったまま私はそこに影があるのを見ていた。影は人の形をしているようだったが、人の形そのものだとは言い難い形をしていた。部屋が暗いことや、…