詩: おしゃべり
重い鞄抱えてさ、疲れた体を引きずって、胸に溜め込んだたくさんのため息、今日はちょっと話そうか
間違ったことでもいいよ、醜くたっていいよ、八つ当たりだっていいし、少し大袈裟なくらいが面白い
君は潤んだ目をこすって、少し眠そうで、それでも帰らないで話す、僕だって話す、話す
その時僕には君だけで、きっと君には僕だけで、そのほかはぜんぶ間違ってるみたいな、そんな世界だ
間違ってるのは僕たちで、そんなこと分かってて、それでも今は、今だけはいいよねって笑う
さよならを合図にぜんぶなかったことになる、その瞬間に君はひとりに、僕もひとりになる
君は君のたくさんの大切な人と、ぶつかったり離れたりしながら生きて、僕だってそう、さっきの話に登場した人たち全員と、そうやって生きてる
鞄は重いまま、疲れた体を引きずって
でも胸のつかえはとれたかな
そうだといい