ウキクサバチdays

ふらっと気ままに詩とか散文をのせるとこ

詩: 海色の稲妻

真っ青な空に 透明な空気に
拒絶されて飛べない俺を

世界をひっくり返してしまえば
誰でも簡単に青に飛べると

海へ連れてきたのはあなたでした


太陽に反射して光る波が
なぜか懐かしくて

炭酸水の泡のようにはじける
笑った瞳がガラスのように遠くて

さびしかった



深い青の冷たさを 声にならない透明を
抱えこんで溺れそうな俺と

落ち着いて上を見ていれば
太陽の光が見えると

手をつないでくれたのはあなたでした


水面に揺らめく光が
どこか懐かしくて

果実水の実のように沈む
横顔が人形のように静かで

さびしかった



そんなさびしさを抱えて
こんなさびしさを抱えて
俺は空へと還ってゆくんだな

三人でたゆたった青とはちがう
ひとりで溶けていくこの青が
どうかあなたたちにも
綺麗にみえますように

青空に海色の稲妻
隔てる透明を裂いてつなぐ雷


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