ウキクサバチdays

ふらっと気ままに詩とか散文をのせるとこ

詩: 天気雨

あなたはいつも澄ましては
春のように穏やかだ
その声はどこまでも優しげで
その顔はいつ見ても柔らかい

夕陽のように燃えてもいい
嵐のように荒れてもいいよ
いつでも傘を持っている
晴雨兼用だから大丈夫

青空の街に雨が降る
静かで透明であたたかな
命の香りのする雨粒
春の香りのする雨粒

ああ、傘をさしに行こう
雨上がりの虹を一緒に見よう

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詩: オレンジの魔法

すう、と空気にとけていくような
透明が少し橙を増すような
そんな気配で

帰ってきたよ 帰ってきたよ
静かに枯れ果ててぼくは立つ

声もでないけど息をして
笑えもしないけど目をあけて
空の匂いの君のもと

君はひとこと、おかえりと
それでぼくの景色は秋になる

すう、と空気にとけていける
透明が少し橙を増して
静寂が優しく響いて

海の音のする君のもと

ただいま、ぼくはひとこと
それでぼくは帰れた

君とここにいた

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詩: 星のようなふたり

どうしたら あなたと私 同じ明日へ繋げるだろう
手を伸ばしても届かないの 世界がこんなに広いって知ってた?

夕焼け色の床 並んだ影ふたつ 懐かしい日々
うつろうものを知っていた いつだって変化にふりまわされて
それでも信じていたんだ 疑いもせずに
あなたと私 離れてしまってもきっと一番近い
まるで星みたいだね 西陽に照らされたふたり 綺麗だったに違いない

だけどね 繋いでいた手が離れたら 心も離れていってしまったの
あなたのいない私の世界
私のいないあなたの世界
遠すぎて 違いすぎて 想像もできないよ
もうあなたが分からない 確かに同じ夕陽に照らされているはずなのに

私の世界とあなたの世界が重なる日はやってきますか?
そうしたらまた影がふたつ並ぶんだろうか
その時私とあなたは繋がってる?
また信じてもいいですか 星のようなふたり

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詩: 星空トーク

そうこれは、なんてことない夜のお話
広大な宇宙の下 おんなじ星の上
見えないけれど 確かに同じ時を過ごした
君と僕のお話

夜空を見ながら 呼びかけたよ
声なんか届かない 遠い遠い君へ
この気持ちが届くように
呼びかけたよ

星はさぁ
ほんとうは 一つ一つとても離れているのに
ここから見ると わりとくっついて見える
僕たちも同じかなぁ
声すら届かないけど
宇宙から見たら 近くにいるのかなぁ
それで一人一人 別々に光って
どこか遠いところを 一緒に照らしているのかなぁ
未来とか

夜空を見ながら 思うんだよ
声なんか届かないくらい 遠いけれど
その遠い 僕の知らないところで 君は生きてるんだって
確かにいるんだって

広大な宇宙の下 おんなじ星の上
手は繋げないけれど 確かに一緒にいる
君と僕のお話

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詩: ソフトフォーカス

世界はなんだか曖昧だった
ぼんやりしていてきらきらしていて、ざわざわしている

そんなことも忘れていた、矯正された視界の中
僕の目が映す世界 これが僕にとっての世界
ふらふらと歩んで、なにもかもがふわふわしていることに気づいた

こんな僕にも優しい世界、こんな僕だから優しい世界
見えないから分からないからこその安心感、見ない知ろうとしないずるさ

たまにはね
曖昧な世界で特に意味もなく笑ってみたいんだよ
たまにはね いいじゃない

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