ウキクサバチdays

ふらっと気ままに詩とか散文をのせるとこ

詩: うそとほんとうのカクテル

嘘を信じられなかったわたしの正直な何かが水面にとけてゆくの、一区切りの夜そうしてわたしはそのすべてをぐいと飲みほして、空になったグラスにまたなみなみと嘘をついでいる冗談みたいに甘いお酒ね、夢の欠片だけ残して消えていくだけどほんとうもうまく…

詩: その道はあなたを裏切らない

愛しいアナザーワン 触れられないまま抱きしめて 幸せは必ずあるよ だからどうか呼吸をやめないで幼い小さな手が助けを求めて伸ばされている 声を出すことを忘れてしまった子供 その小さな手はふり払われるだけだと私は知っている 子供はただそっと目を伏せ…

詩: 子守夢

にっちもさっちもいかない人生に何度も涙した 感情があふれてやまない 感情があふれてやまない もう何日もうまく眠れていないのに 命がこぼれていく名前も原因も場所もわからない痛みがあって 愚鈍な頭は痛んでいることにすら気づかなくて 誰かの痛みと重な…

詩: 海とわたし

海とわたしの話をしよう この海は 満ちているよと言われても わたしはね 信じることができなくて古びたマグカップに 精一杯水を溜めてきて がむしゃらに注ぎ入れるのこの海は わたしは 足りていますか どうですか海とわたしの話のつづき この海は きれいです…

詩: こどもとおとな

白い光が眩しすぎて そっと目を閉じたら 小さな手に遠慮がちに引っ張られた 目眩がしそうなくらい明るい空の下抉られるような悲しみを知っても 泣きじゃくりながら手を引かれて 前へと進む子供と理不尽な暗闇に覆われても たった一人で背を向けて 離れていく…

詩: 真夜中の祈り

星をみよう 冷えた夜のベランダで 影との境も曖昧な 真っ暗な空に立って 顔をなくして 形をなくして 誰にも見つからない ぼやけた場所で 輝きを見よう にじんではじける星座を探そう 寒い冬のベランダで オリオン座くらいしか知らないけれど 小さな星を 好き…